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トップマネジメントの仕事とは、一人の仕事ではなく、
チームによる仕事である。トップマネジメントの役割が
要求するさまざまな体質を、一人で併せもつことは
ほとんど不可能である。しかも、一人ではこなしきれない量がある。
ピーター・ドラッカー
経営の仕事は一人ではできない
経営は数人で力を合わせて行う仕事
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「役員同士、何のための事業なのかという点で議論がいつもブレてしまう……」
「使命はあるがお飾り物になっていて、使命に向けた具体的な行動がない……」
「部門間の軋轢や摩擦が多く、スムーズに進むはずの仕事が進まない……」
「業績が良くないため、先頭にたってその改革に取り組まなければならない……」
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これは、実際に多くの社長から聞いた言葉です。
CEOのあなたも一度はそんな想いになったことが
あるのではないかと思います。私もそうでした。
社員の数が少なければ、自分の考えを直接社員に語り、
「ああやってくれ」「こうやっておいてほしい」と指示を出せば、
会社は何とか動いていきます。また、組織が小さければ、
社内の隅々に顔を出し、社員と直接話をすることができますし、
社員と食事をする機会を頻繁に持つこともできます。
しかし、社員も多く大きな組織は、
そうはいきません。社長は、社員と密な
コミュニケーションをとることはできませんし、
直接話をするのは一部の幹部だけに限られます。
組織で事業を進めている以上、考え方の共有は
しなければなりませんし、
組織内に不協和音があったら、事業は前へ進みません。
口酸っぱく会社の考えを伝えているのに、
「会社のビジョンが見えない」と不満の声が聞こえたり、
首尾一貫した明快なメッセージであっても、
なかなか社員に届かないものです。
仕事の話はもちろん、趣味や家族の話、
今抱えている悩みなどを直接聞いたりして、
お互いの理解を深めることができます。
会話があれば、そこに心のつながりが生まれます。
![ドラッカー,山下淳一郎140.jpg](https://topmanagement.co.jp/column/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%2C%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E6%B7%B3%E4%B8%80%E9%83%8E140.jpg)
どんな業種であっても会社である以上、
そこには経営という仕事が必ずあります。
経営の仕事は会社全体の運営を司るもので、
当然のことながら、営業部や管理部といった
部門の仕事はまったく違います。
ドラッカーは、著作『マネジメント』の中で、
「一部を列挙」と前置きをしつつ、
あらゆる企業に共通する経営チームの仕事が6つある
と言っています。経営チームの仕事をお伝えします。
①経営チームの仕事は使命を決める
「社員全員が社会にこんな良い結果を
もたらせばいいんだとわかるもの」です。
経営チームで使命を決めるということは、
「概念的な想いを言い表すこと」ではなく、
「具体的な行動を打ち立てる」ということです。
使命を決めなければ、組織は共通のものの見方を持てず、
間違った決定を繰り返し、間違った行動を続けてしまいます。
使命を問いただすのが、経営者の責任です。
「何のため」という使命から、「何をどこまでやるか」という目標、
それを達成するための方法と手順を明らかにする
という仕事に枝分かれしていきます。
それが、経営チームの仕事です。
②経営チームの仕事は価値観をつくる
トップは常に全員の目の前にいるわけにはいきません。
経営チームでこういう場合はこういうふうにして
考えるのだということを決め、
それを共有しておかないと組織は崩壊してしまいます。
したがって、事業を行う上で物事を判断する物差しが必要です。
組織としての規則など、こまごましたことを
しっかり打ち立てなければなりません。
それが、経営チームの仕事です。
③経営チームの仕事は組織をつくる
事業は、適切に配列された仕事が適切な順番で行われ、
誰かの仕事が誰かの助けになるからこそ成果があがります。
その組織の実態は〝人間"です。物事を積み上げ、
情報を知恵に変え、組織を形成する土台は人間です。
人間をつくるのは制度でも条件でもなく、精神性です。
したがって、組織の精神をつくり上げ、将来を担う人間、
特に経営人材を育成していかなければなりません。
それが、経営チームの仕事です。
④経営チームの仕事は良い関係をつくる
良い関係をつくる仕事会社は、
様々な協力者がいて成り立っています。
お客様をはじめ、提携先、協力会社、
経営チームがなければ事業は伸びない
取引先、株主、投資家、銀行、地域など、
様々な外の力を借りて成り立っています。
トップは組織の代表者として、事業を共に進める相手、
事業に影響を与える相手と良い関係をつくらなければなりません。
それが、経営チームの仕事です。
⑤経営チームの仕事は外と関わる仕事
会社の規模に関わらず、経営者は限りないイベントごとや会食、
業界の集まりに出席しなければなりません。
オーナー企業といえども
経営者は一個人ではありません。必要なときに必要な場に出向かなければ、
会社の信頼を失うことにもなりかねません。外と関わる仕事は
経営者の避けて通れない社会的な仕事です。
それが、経営チームの仕事です。
⑥経営チームは矢面に立つこと
重大な危機に際して自ら前面に立たなければならないことや、
著しく悪化した状況にあって、トップは大鉈なたを振るって、
その事態に取り組まなければならないことがあります。
対外的なことに限らず、組織内の改革など、
外科的手術が必要なときにあっては、
勇気を伴う決断を自身に迫らなければならないこともあるでしょう。
経営の仕事にはどんな仕事があるのか、
ということについてお伝えしました。
では、それらの仕事をするために、
経営者にはどんな能力が必要なのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
トップマネジメントの仕事とは、一人の仕事ではなく、
チームによる仕事である。トップマネジメントの役割が
要求するさまざまな体質を、一人で併せもつことは
ほとんど不可能である。しかも、一人ではこなしきれない量がある。
ピーター・ドラッカー
経営の仕事は一人ではできない「①使命を決める仕事」や
「②価値観を創る仕事」は、考え抜く能力が必要です。
「③組織をつくる仕事」は、具体的な行動を起こす能力が必要です。
さらに、「④良い関係をつくる仕事」は、親しみやすい人柄や
他者への共感性という人間的な能力が必要です。
さきほどお伝えしたものが
事業を成功させる経営チーム6つの仕事です。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。ピーター・ドラッカー
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
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