正しい決定は、共通の理解と、対立する意見、
競合する選択肢をめぐる検討から生まれる。
ピーター・ドラッカー
発言できる状態をつくる
ソニー創業者の盛田昭夫氏が副社長、
田島道治氏が会長だった頃の話です。
盛田氏と田島氏は意見の食い違いが度々ありました。
盛田氏はあるとき、意見の相違で、
田島氏が怒っているのを承知で、
自分の意見を強硬に主張し続けました。
田島氏は盛田氏にますます苛立ちました。
その苛立ちが限界に達した田島氏は盛田氏にこう言いました。
「盛田君、君と私は意見が違う。
私は絶えず意見が対立するような会社に
いようとは思わない。今すぐ辞める。」
盛田氏は臆せずこう言いました。
「◇お言葉ではありますが、あなたと私が
すべての問題についてそっくり同じ考えを持っているなら、
私たち二人が同じ会社にいて、
給料をもらっている必要はありません。
その場合、私かあなたのどちらかが辞めるべきでしょう。」
盛田氏は続けて言いました。
「◇この会社がリスクを最小限に抑えて、
どうにか間違わないですんでいるのは、
あなたと私の意見が違っているからではないでしょうか。
どうぞお怒りにならず、私の考えを検討してみてください。
私と意見が違うからと言ってお辞めになるというのは、
会社がどうなってもよいということでしょうか。」
(◇ソニー創業者の盛田昭夫氏)
正しい決定は、共通の理解と、対立する意見、
競合する選択肢をめぐる検討から生まれる。
ピーター・ドラッカー
盛田氏が田島氏に言ったことを要約すると、
次のようになります。
「成果を生む意思決定は、
対立する意見による熟考の果てに生まれるのです。
だから、これからも徹底的に話し合っていきましょう。」
ファーストリテイリングの柳井会長もこう言っています。
「〇形式的なことを重んじる会社は、社長が言ったとおり、
寸分たがわず実行している。それは単なる帳尻合わせに
過ぎない。それで失敗している会社は多い。」
「〇社長の言っていることを
すべて真に受けて実行していたら、
会社は間違いなく潰れてしまう。いい会社は、
社長の言っていることをそのとおり行っていない。
「〇表面的に社長の言葉だけを聞くのではなく、
社長の言いたいことの本質を見極め
どう具体化するかを考える。そして、実行する。
これが立派な会社です。もっと、社内で、
発言できる状態をつくることが必要だ。」
(〇ファーストリテイリングの柳井会長)
成果を生む意思決定を生み出すために、
御社の経営チームも徹底的に話し合ってください。
(~『ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方』より~)
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ピーター・ドラッカー
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ピーター・ドラッカー
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