トップマネジメントの役割が多様な能力と資質が
必要であることから、トップマネジメントの役割のすべてを
複数の人間に割り当てなければならない。
ピーター・ドラッカー
経営は数人で役割分担して
はじめて成り立つ仕事
経営は役割分担で成り立つ仕事
「内に患あらば、これ張昭に問え。外に憂いあらば、これ周瑜に問え。」
これは、中国の三国時代、呉という国の孫策という武将が、
その国のトップに言った言葉です。
これを会社に置き換えて言うとこうなります。
「社内のマネジメントは張昭さんに、戦略は周瑜さんに、相談してください。」
組織運営は昔から、役割分担で成り立っていたのですね。
後継者の育成も、基盤となるものは組織運営です。
一人の後継者が、ありとあらゆることを一人でできるようにはならないからです。
結局は、人と力を合わせて事業を進めていくことになります。
だから、組織運営が基盤となるのです。
組織運営の鍵は、「役割を分担する」ということです。
それは、昔からの“決まり”、くらいに思いましょう。
あなたはどちらのタイプですか
噛み砕いで言えば、「トップ一人で何でもやらない」ということです。
「外部と良い関係をつくること」に強みをもつ社長が、
無理をして、社内のマネジメントも一身に引き受けようとするあまり、
かえって成果をあげられていない、ということが、
多くの会社で起こっています。
ところで、あなたは、上記で触れた、張昭と周瑜のどちらのタイプですか。
得意なことに応じて役割を分担してくださいね。
トップの言う通りに動くだけの役員
ある企業でこんなことがありました。
その会社は、社長一人の力で成長してきました。
社長一人であらゆる決定を行い、社長一人であらゆることを
コントロールしてきました。
社長の下には副社長がいましたが、
主要な取引先を担当する営業マンとしての動きしかしていませんでした。
彼は仕事の範囲を社長からそのように制限されていました。
また、ほかの役員は自分の考えで何かを決めることは許されず、
社長は彼ら役員を平社員のように扱っていました。
副社長は、「このままではよくない」と思い、
そんな状況を憂慮していましたが、
社長の剛腕によってこの会社が成長してきたことは事実であり、
社長に対しては、かなりの遠慮がありました。
役員の中に一人として、自分で考え、自分で決定することのできる人間が
いないということが明らかになりました。すべての役員が、
長い間、社長に頼ることに馴れてしまっていたのです。
問題は、「後継者の育成」ではなく、「後継者の候補」さえ
一人もいないということでした。このような状況に陥らないために、
どうすればいいのでしょうか。
ドラッカーは、こう言っています。
トップマネジメントの役割が多様な能力と資質が
必要であることから、トップマネジメントの役割のすべてを
複数の人間に割り当てなければならない。
ピーター・ドラッカー
トップマネジメントの役割とは経営者の役割のことです。
経営者の役割は、異なる種類の仕事がいくつもあるため、
それらの仕事は、複数の人間で役割分担しなければなりません。
経験を積ませてあげることによって、
やがて後継者の候補となる人が育ってきます。
トップ一人で仕切らない状態がつくることが絶対に必要です。
ぜひ今日から、得意なことに応じて役割を分担していきましょう。
それが、御社の未来につながっていくからです。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
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ピーター・ドラッカー
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ピーター・ドラッカー
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