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ドラッカーの名言

東証一部上場企業様を中心に経営チームの支援をを行っています。


人が育つ企業の社長がやっていること

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組織が長期にわたって繁栄を続けるには、
組織内の人間が、知力においても真摯さにおいても、
自らの能力を超えて成長していかなければならない。

ピーター・ドラッカー

 

人が育つ環境をつくる

 

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手柄はすべて部下に譲る

「出来る限りのことは、現場で判断できるように最大限の権限を与えています。
それが社員一人ひとりの能力を最大限に引き出す要諦です。
いい顧客、いい案件、いい仕事、また、美味しい物が食べられるいい出張は(笑)、
すべて部下に譲るようにと、会長から教わりました。」

 

こう語るのは、時計ベルトのトップブランドメーカーである
株式会社バンビ(東京都台東区)、代表取締役社長の舘林秀朗さんです。
そして、会長は部下をもつ上司に対して、「手柄はすべて部下に譲れ」と
指導されています。素晴らしい社風を築いてこられた会長のお人柄に
触れると心が洗われます。

 

1980年代、現在の会長が、創業者から事業を引き継ぎ、
4代目の社長となりました。そして、五代目の社長を
引き継いだのが舘林社長です。

 

「経営の実務は完全に社長に任せてある。
私の役目は経営チームをアドバイスをすることです。」
そう語る会長は社長の善きメンターとして、
会社の繁栄を見守っておられます。

 

5代にわたって世代交代に成功し、
事業を発展し続けてきたその秘訣は何でしょうか。
組織が長期にわたって繁栄を続けるには
どうすればいいのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。

 

組織が長期にわたって繁栄を続けるには、
組織内の人間が、知力においても真摯さにおいても、
自らの能力を超えて成長していかなければならない。
ピーター・ドラッカー

 

長期にわたって繁栄を続けるためには、
経営陣が代替わりする度に強くなることであり、
現場の社員も代替わりする度にレベルアップ
していかなければなりません。
実際、舘林社長に、世代交代の成功と
事業を拡大させてきた、その秘訣を伺いました。

 

「弊社が一貫してやってきたことは、
経営理念を社員に語り続けてきたことです。
時代はどんどん変わっていきます。時代の変化とともに
経営理念が形骸化しないように、経営理念の再構築をしてきました。
当時は、高度成長期に大きく発展した時代背景もあり、
メインバンクから不動産など勧められましたが、
堅実に本業の投資に徹底し、積極的に国内外に工場を
つくってきました。従業員を大切にし、
事業の発展に尽力してきた努力が実った結果だと思います。」
と語られました。

 

御社は従業員の能力を最大限に引き出すために、
どんな取り組みをされているでしょうか。
「出来る限りのことは現場の判断に任せ、いい顧客、
いい案件、いい仕事、いい出張は、すべて部下に譲る。」
そしてさらに、「手柄もすべて部下に譲る」
それらをぜひ実践してみてください。

 

経営者の仕事は社員が生き生きと働けるようにすること

本田宗一郎さんは人材育成について、
かつて幹部に次のようなことを言いました。

「徹底して没頭できない人間は成功しない。
精神状態がおかしくなるほどの人じゃなきゃ、
いい仕事はできないね。僕の経験では、どんなにいい人材でも、
本人の好きじゃないことをやらせたら、絶対にものにはなりませんね。
だいたい優秀ということは、自分の好きなことをやって
成功していくことをいうんだ。かりに、僕が銀行へ勤めて、
カネ勘定をやっていたら、これはもう失敗するに決まっている。
間違いないね。そこで、経営者の大切な仕事は、各社員が
生き生きと働けるような、好きな仕事につけてやることだ。
これは経営者の腕のみせどころだな。繰り返すが、
技術好きの人間にやりたいと思っている開発のテーマを与える。
本当に好きなら、それで自然に育っていく。」

 

本田宗一郎さんは、仕事そのものが人を成長させる、
と考えていたのですね。
ドラッカーもこう言っています。

 

人を育てる最高の道具は仕事である。
ピーター・ドラッカー

 

育成と言う言葉を聞くと、どうしても研修を受けさせたり、
セミナーに参加させることをイメージしがちですが、
人材育成とは「人が育つ環境をつくること」です。

 

人材が育つか育たないかはトップ次第

米国の大手百貨店のシアーズローバック社は、
人材が育つ環境を作り上げました。将来を期待されていた
優秀な二人の幹部がいました。

 

その幹部の一人は売上と利益で
大きな成果を上げていました。
しかし、人材を育成することには
大きな貢献はしていませんでした。

 

もう一人の幹部は、売上と利益では
大きな成果を上げたわけではありませんでしたが、
多くの人材を育てました。

 

社長から評価され、昇進したのは後者の
「多くの人材を育てた人」でした。
そのように判断した理由を聞かれた社長は、
次のように答えました。

 

「前者の人は今日のための仕事をしているが、
会社の明日に貢献していない。しかし、後者の人は、
会社の明日に貢献している。」

 

この時から、シアーズローバック社は、
優れた人材が育つようになりました。
これが、同社が築き上げた、
人材が育つ環境です。

 

数年後、社長が変わり、会社の方針が大きく変わりました。
“売上の額だけ”で評価が行われるようになりました。
これまで人材の育成が重要視されてきたのですが、
社長が交代して以来、誰も部下の育成を重要視しなくなりました。

 

人材の育成は素晴らしいことであり、
部下や跡を継ぐ人たちは大切な存在という考えもなくなりました。
上司は部下の育成に一切関心を持たなくなり、手間のかかる部下は、
上司にとっては煩わしい存在になりました。

 

また、昇格する基準に「部下の成長にどれだけ心を砕いたか」、
ということは、まったく考慮されなくなりました。

 

その結果、シアーズローバック社は、
優れた人材が育たなくなりました。人材が育つ環境をつくるうえで、
トップが肝に銘じておかなければならないことは何でしょうか。
ドラッカーはこう言っています。

 

人材の育成が素晴らしいことであり、みなにとってよいことであるとしなければならない。
部下や跡を継ぐ者たちこそ重要な資産であるとすることが、
彼ら自身の利益になるようにしなければならない。
部下の育成は、育成した者にとって昇進に値する貢献としなければならない。
障害となるようなことがあってはならない。
ピーター・ドラッカー

 

優れた人材が育つか育たないかは、トップにかかっています。
シアーズローバック社の事例は、人材が育つ環境の重要性を
あらためて考えさせられますね。
いつかは必ずやってくる世代交代の時に備えて、
ぜひ人が育つ環境をつくってください。

 

 

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