まさに確立した事業体として成功し成人したかに思われたそのとき、
理解できない苦境に立つ。製品は一流、見通しも明るい。
しかし事業は成長しない。収益や財務体質などの面で成果があがらない。
原因は常に同じである。トップマネジメントの欠落である。
企業の成長がトップ一人でマネジメントできる限界を超えた結果である。
ピーター・ドラッカー
人材の不足、事業の停滞、収益性の低下。
なぜ、それが起こったのか。
経営チームをつくらずに、ある程度成長してきた企業は、
「経営チームは絶対つくらない」という決意をもって
経営チームをつくってこなかったわけではありません。
たまたま経営チームをつくらなかっただけです。
経営チームという発想そのものがなかっただけです。
経営チームをつくらずに成長してきた企業の傾向をお伝えします。
経営チームをつくらずに成長してきた企業は、一言でいえば
トップダウンです。重要なことはすべてトップ一人が決め、
トップが決めたことを幹部に伝えるというやり方をしてきました。
トップダウンであるため、
「自分で考えて動くこと」よりも「上の言う通りに動くこと」が
重要視されます。高い能力をもつ幹部であっても、
重い責任を持たされた経験はほとんどなく、
辛い決断を迫られる局面に立たされる経験も
ほとんどありません。
トップに対して過剰な気遣いがあり、
仕事上のことであっても対等な立場で話がしにくい
絶対的な上下関係が出来上がっています。
トップは強い責任感から、一人ですべてを把握することを
自分の仕事としてきました。そのような仕事のやり方から、
数名の役員で頻繁に集まっては情報共有する、
というやり方を必要としませんでした。
誰か一人がトップの空いている時間を見つけては、
トップに会って話をすれば済んでしまいます。
経営チームをつくらずに成長してきた企業は、
トップ一人が会社の将来を見据えて、
トップ一人が組織全体を見渡し、
トップ一人で重要な意思決定をすべて行ってきました。
そのように仕事を進めてきたため、
経営チームの必要性を感じることはありません。
これが、経営チームがつくられることには
至らなかったのです。
こうして経営チームをつくらずに成長してきた企業は、
情報共有や話し合い、意思決定に慣れていないために、
責任をもって物事を自分で決めることのできる
人材を輩出しやすい環境にありません。
たとえ高い職位にある幹部であっても、
「社長、どうすればいいですか?」
「社長、あの件は進めていいですか?」と
逐一指示を仰ぎ、上に決めてもらうことが
当たり前になっています。
常に上からの指示を待つため、
後手に回り、問題解決に引きずり込まれます。
ドラッカーはこう言っています。
まさに確立した事業体として成功し成人したかに思われたそのとき、
理解できない苦境に立つ。製品は一流、見通しも明るい。
しかし事業は成長しない。収益や財務体質などの面で成果があがらない。
原因は常に同じである。トップマネジメントの欠落である。
企業の成長がトップ一人でマネジメントできる限界を超えた結果である。
ピーター・ドラッカー
事業の成長がトップ一人で仕切れる限界を超えたとき、
トップは事業の成長が運んでくる重荷に耐えられなくなります。
気が付けば、人材の不足、事業の停滞、収益性の低下
といった問題に直面します。
そのような結果を招かないためにも、
今のうちから経営チームをつくりましょう。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
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