優先順位の決定には、いくつか重要な原則がある。
すべて分析ではなく勇気に関わるものである。
第一に、過去ではなく未来を選ぶ。
第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。
第三に、横並びではなく独自性をもつ。
第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。
ピーター・ドラッカー
いったい経営者とは何なのか
会社は、いろいろな部署と
いろいろな仕事の総和で成り立っています。
たとえば、開発部はいい商品を考えること、
設計部は商品を設計すること、製造部は商品を造ること、
品質管理は商品の良品状態を確認すること、
営業部は商品を売ることです。
その中にあって、一つの部署に属さないものが経営です。
一つのことに特定できない仕事が、経営者の仕事です。
経営の仕事が、一つの仕事に特定できないものである以上、
経営者は自分の仕事を自分で特定しなければなりません。
そうかといって、経営者が自分の仕事は
「売上を上げること」と決めれば、
経営者は営業マンになってしまいます。
果たして、それでいいのでしょうか。
何人かいる役員の一人が、一時的に
一人の営業マンとして動く時期はあってもいいと思いますが、
さずがに、トップはそうはいきません。
目の前のことだけに追われれば、事業は混乱に陥ります。
様々な課題が次から次へと永遠に追いかけてくるからです。
気が付けば、重要でないことに時間と労力を使う状況に陥ります。
では、どうすればいいのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
トップの仕事は、徹底的に検討して初めて混乱を免れることができる。
トップたるものは、自らの仕事に優先順位をつけなければならない。
重要でないことに時間と労力を小出しに使い、
重要なことをおろそかにするようなことは避けなければならない。
ピーター・ドラッカー
自分の仕事を整理しようと、自分の仕事をリストアップするとき、
陥りやすい間違いは、いま行っている仕事だけを
リストアップしてしまうことです。
「そんなことは百も承知だ。
私は重要性の高いものと低いものと緊急性の高いものと低いものに分けて、
自分の仕事を定期的に見直している」。
そんなお叱りの声が聞こえてきそうです。
しかし、その視点で考えを進めてしまうのは危険過ぎます。
これが、「あなたもやってしまう恐ろしい間違い」です。
過去に起因する仕事にとらわれる時、
未来を失う可能性があるからです。
では、どうすればいいのでしょうか。
ドラッカーはこう言っています。
優先順位の決定には、いくつか重要な原則がある。
すべて分析ではなく勇気に関わるものである。
第一に、過去ではなく未来を選ぶ。
第二に、問題ではなく機会に焦点を合わせる。
第三に、横並びではなく独自性をもつ。
第四に、無難で容易なものではなく変革をもたらすものを選ぶ。
ピーター・ドラッカー
未来をあるべき姿から逆算して考えましょう。
事業の未来を見据えたうえで、今まで行なっていた仕事を廃棄し、
今まで行っていない仕事を加えたうえで、
優先順位を決めていくのがよろしいかと思います。
そうすれば、事業の可能性がより高まるからです。ぜひ試してみてください。
もう一つ重要なことを付け加えます。
冒頭、会社は、いろいろな部署といろいろな仕事の総和で
成り立っているというお話しをしました。
まずは、経営チームで優先順位の決定に取り組み、
次に、すべての部署で優先順位の決定に取り組まれることをお勧めします。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
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