トップマネジメントの仕事は、その範囲、必要とされているスキル
と気質、仕事の種類において、一個人の能力を超える。
経営書や組織論が何と言おうとも
優れた経営を行っている企業にワンマンはいない。
それらの企業は CEOのチームをもつ。
ピーター・ドラッカー
ワンマン経営のつけは
とてつもなく大きい
先日、数名の役員がいる企業の社長様から問い合わせを頂きました。
内容は、次のとおりでした。
「代表である自分の他に取締役がいるものの、
すべて一つの部署の責任者を兼任させている。
そのため、会社全体を見ているのは自分一人である。
これはいかがなものか。好んでワンマン経営を行っているわけではない、
しかし、取締役が何人もいるのに現実はワンマン経営の状態だ。
これは早期に解決しなければならない。」
ワンマン経営は、その時その時は、話が早いのでいいのですが、
必ず行き詰ります。そのつけはとてつもなく大きいものです。
どんなに優れたトップでも、何から何まで
一人でできるわけではありません。
物事を決めてもらうことに慣れた人ばかりになれば、
事業はいつかフリーズします。
経営は、物事を捉える能力、物事を構想する能力、
考えを決める能力、決断する能力、物事を進める能力が必要です。
そして、人を理解する能力、人に理解してもらう能力、
人の共感を得る能力、人と良好な関係を築く能力、
人の協力を得る能力、人の強みを理解する能力、
人の強みを引き出す能力が必要です。
さらに、人とあうことを楽しみ、
人に好印象を与える能力も必要です。
これらのすべて一人であわせ持つことはできません。
経営の仕事は、数人で力を合わせなければ、
できるものではありません。
迷信とは、道理に適っていない言い伝えのことです。
「経営者は一人」という考えは、迷信です。
「経営者は社長一人で行う仕事」、それも迷信です。
経営は一人で行うことはできません。それが、現実です。
取締役の仕事について、日本は間違った解釈が
普及してしまいました。取締役は「一つの部門を管掌する人」
というものです。これは間違っています。
取締役は「会社全体を俯瞰する人」です。
「一つ部門の成果に責任に持つ人」ではなく、
「会社の発展に責任を持つ人」です。
取締役が、一つの部門を管掌する範囲にとどまっていては、
取締役としての責任は果たせません。
これが、社長をワンマンに追い込んでしまう原因です。
経営はチームで行う仕事です。社内を見渡せば、
信頼する人が何人かいるはずです。事業を成長させるためには、
誰かに経営の仕事の一部を担ってもらわなければなりません。
そして、経営を「トップ一人の仕事」から、
「チームで行う仕事」に変えていかなければなりません。
経営チーム構築する際、最初に遭遇する壁は、
「経営陣同士の考えの違い」です。
いままで沈殿していて気づき得なかった
「お互いの考えの違い」が明るみになります。
同じ組織あっても職務の分野が異なれば、
人それぞれ見える現実が異なります。
それぞれの視点がそれぞれの見解を生み出し、
考えの違いを生み出します。
ゆえに、お互いがお互いの考えを理解する努力を必要とします。
トップは、自分の意思を幹部に理解してもらう努力と
幹部は自分の考えをトップに理解してもらう努力が必須です。
一方、経営チームは仲がいいからといって
うまくいくものではありません。人間関係の良し悪しに関わらず、
経営チームはチームとして力を合わせていかなければなりません。
経営チームの一人ひとりが６つのことを守っていきましょう。
- 自分の担当分野について最終的な決定権を持っている
- 他の人の担当分野について勝手な決定はしない
- お互いに批判したりしない
- チームを率いてチームをまとめるリーダー役がいる
- 大きな予算や人事のことはチームで話し合って決めている
- 定期的にミーティングを行いお互いの理解に努めている
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 ｜ 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
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ピーター・ドラッカー
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