不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。
自らの強みに集中すべきである。
ピーター・ドラッカー
不得手なことに時間を使わない
「あなたの時間は限られている。だから、本意でない人生を
生きて時間を無駄にしてはならない。ドグマにとらわれてはいけない。
それは他人の考えに従って生きることと同じだ。他人の考えに溺れるあまり、
あなたの内なる声がかき消されないように。」
「そして何より大事なのは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。
あなたの心は、自分が本当は何をしたいのかもう知っている。
ほかのことは二の次で構わないのだ。」
以上の言葉は、あなたもご存じですよね。
2005年にアメリカのスタンフォード大学の卒業式で行われた、
スティーブ・ジョブズが講演の中で言った言葉です。
ひと言で言えば、「時間を大切しよう」ということです。
自分のやるべきことをリストアップした経験は
誰にでもあると思いますが、スティーブ・ジョブズが言ったことは、
「自分がやらないことをリストアップしよう」、ということです。
ドラッカーは次のとおり、
「不得手なことはやめてしまおう」と言っています。
不得手なことの改善にあまり時間を使ってはならない。
自らの強みに集中すべきである。
ピーター・ドラッカー
最も貢献できる仕事について考えた、
ある企業の経営陣の事例を紹介します。
事業を起ち上げたばかりの三人の経営者は、
事業を成功させるために重要な活動は何か
ということについて考えました。
彼ら三人が話し合って見出した答えは、
戦略立案、研究開発、人材育成の3つでした。
お互いにそれぞれの強みを確認し合い、
誰がどの仕事を担当するかを決めました。
人事の仕事に向いている人が
人材育成の仕事を担当することになりました。
しかし、人材育成の仕事を担当することになった彼が、
本当にやりたかった仕事は、人材育成ではなく研究開発でした。
しかし、彼自身、「自分が事業に最も貢献できる仕事」が
人材育成であると分かっていました。
自分が何に貢献できるかとの問いが、常に納得のいく答えを
もたらすとは限らないということですね。
この会社は半導体メーカーで誰もが知る大きな企業となり、
大きな成功を収めました。
やらない仕事を決めるということは、成功の秘訣です。
ドラッカーはそれを実行した日本人の経営者を紹介しながら、
「自分は何が得意で何が不得意かを明らかにし、
得意なこと以外は何もやらない」
ということの重要性を教えています。
ドラッカーはこう言っています。
本田宗一郎が本田技研工業というベンチャーを
始めるにあたって行ったことだった。
彼は、マネジメント、財務、マーケティング、販売、人事を
パートナーとして引き受けてくれる者が現れるまで事業を本格化しなかった。
彼自身はエンジニアリングと製造以外は何もやらないことにしていた。
この決心がやがてホンダを成功に導いた。
ピーター・ドラッカー
本田宗一郎は、組織運営の細かなこと、
銀行の担当者と関わること、商品を売り込むこと、
人事の仕事について、自分は得意ではないと考えていました。
それだけではなく、自分が得意としない仕事はやらないと
固く決めていました。
ゆえに、彼は得意としない、マネジメント、財務、
マーケティング、販売、人事の仕事を
担ってくれる人が現れるまで
本腰を入れて事業を大きくしなかったのです。
あなたが不得意とすることで、やめた方がよい仕事は何でしょうか。
その答えを見出してください。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎
人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
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