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ドラッカーの名言

東証一部上場企業様を中心に経営チームの支援をを行っています。


出光佐三さんとの出会いからはじまった

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明日マネジメントに当たるべき人間を
今日用意しなければならない。

ピーター・ドラッカー

 

幹部の育成はどうあるべきか

 

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「経営は自分が走り切って終わる“マラソン”ではありません。
経営は“駅伝”なんです。自分は所詮中継ぎだという人がいますが、
とんでもない勘違いです。みんな中継ぎなんです。
経営は誰もが次の人へ承継していかなければならないのです。」

 

そう語るのは、サマンサジャパン株式会社(山口県周南市)の
小野英輔会長(以下、小野会長)です。

 

1957年、山口県徳山市に巨大な工場が建ちました。
出光興産の製油所です。油所とは原油を処理して
ガソリン、灯油、軽油、重油、
アスファルトなどを
製造する工場です。

 

小説『海賊と呼ばれた男』はあなたもご存じだと思います。
出光興産の創業者、出光佐三さんがモデルとなった主人公の、
挑戦に満ちた生涯と、小さな商店が大企業に成長する
過程を描いた物語ですね。

 

出光佐三さんとの出会いをきっかけに
サマンサジャパンの前身が生まれました。
創業者の小野祥亮さんがビルメンテナンスの事業を起こし、
出光興産の徳山製油所のビルの清掃を引き受け、
事業は成長していきました。

 

小野祥亮さんより会社を受け継ぎ、
事業をさらに発展させてきたのが小野会長です。

 

同社は現在、従業員3000名以上を擁し、
事業の内容は大きく広がり、病院の外来受付、カルテの運搬、
医薬品の院内搬送、電話受付、そして、ホテルのベッドメイク、
イベント会場の案内、さらには、建築、設備、警備、接遇等、
業界屈指の優良企業として、おもてなしのサービスを提供しています。

 

旭日小綬章。それは、経営者や教育者をはじめ、
科学、文化、スポーツなど各分野で活躍した人を対象に、
社会への貢献を高く評価された人に国から贈られる賞です。

 

俳優の津川雅彦、落語家の柳家小三治、
魔女の宅急便の原作者である角野栄子なども
旭日小綬章を受けています。
2019年、小野会長はその章を受賞されました。

 

旭日小綬章を受賞されたお気持ちと、
後継者の育成について小野会長に伺いました。
「わが社は、4つの使命をもって事業を行っています。

 

一つは、お客様のためにです。
わが社は繁栄と幸福を提供している会社です。
業務のお手伝いをしているのではなく、繁栄のお手伝いをしています。
お客様に喜んで頂くだけではなく、さらにその先をいく、
「感動」をお届けすることを使命としています。

 

二つ目は、全従業員のためにです。
従業員一人ひとりが人間性を高めていかなければなりません。
能力を高めるだけでなく、人間として大きくなることが大事なんです。
わが社は、そのための研修教育、能力開発に全力を注いでいます。
全従業員に豊かな人生を歩んでもらいたいからです

 

三つ目は、地域社会に対してです。私達は会社の一員であると同時に、
社会の一員です。社会に貢献してこそ企業価値があります。
社会に対する貢献の第一歩は「親孝行」からはじまります。

 

四つ目は会社に対してです。
私達は縁あって同志となった運命共同体です。
同じ会社で仕事をするということは、
尊い人生を分かち合うということです。
理念を共有し、それを実践していく事が大事なんです。

 

この4つを徹底した経営してきたことが、
旭日小綬章の受賞という結果になったと思っています。」

 

次に、後継者育成に要諦について伺いました。
「以前、後継者選びがうまくいかなかった
経営者の知人がいたので、どうしてか聞いてみました。
その彼が言うには、“ナンバー・ツーとして仕事をしていた時は
理想的な仕事ぶりだった。

 

しかし、社長になったらまるで違った。”そう言っていました。
その話を聞いて、後継者を選ぶということは、
それだけ難しいことだと思いました。

 

後続と後継は違います。後続とは“後に続く”と書きます。
後続は出来上がったものに乗っかっているだけの人です。
そんな人は何の挑戦もしませんし、何も成し遂げられません。

 

時代はどんどん変わっていきます。
今と同じことを続けていればいいというわけにはいきません。
だから、後続の人に会社を任せることはできません。

 

それに対して、後継とは“後を継ぐ”と書きます。
継ぐとは、“後を引き受ける”ということです。
後継は、新たなことに挑戦し、事業を成長させることです。

 

成果はどこで生まれるかと言えば現場なんです。
知恵は現場にあります。その現場に入っていける人こそ、
組織を通じて成果をあげ、事業を成長させることができます。
そして、変化を恐れず、変化をチャンスに変えていくことです。

 

後継者として大事なのは、能力より情熱、
そして人間性です。後継者に選びで大事なことは、
自分とコミュニケーションと取れる人であること、
根っこのところで通じ合えて、
大事なことを分かち合うことができる人です。

 

私は48歳の時に社長になり、
思い切って事業を大きく変革しました。
次に社長になるのは専務です。

 

ちょうど私が社長になった時と同じくらいの年齢です。
自分がやってきたことと同じことを求める経営者がいますが、
同じことを求めてはいけないと思っています。
なぜなら、自分が社長になったときと、
状況はまったく違うからです。

 

わが社は、チームで経営をやってもらうと考えています。
経営チームのリーダーが専務、営業担当、教育担当、
財務担当の取締役3名、計4名の布陣です。

 

それに加えて、現場のことをよく知っている3
人の者が経営企画室として、経営チームを支える役目を
担ってもらおうと思っています。

 

経営には「変えてはいけないもの」と
「変えていかなくてはならないもの」があります。
わが社が築き上げてきた「あり方」は、変わらぬものとして、
そのまま引き継いでいてほしいと思います。
これが、「変えてはいけないもの」です。

 

その一方で、世の中は変わっていきます。
ゆえに、事業は常に新しい次元に
進化させていかなければなりません。
これが、「変えていかなくてはならないもの」です。

 

経営の「やり方」については、
私が築き上げたやり方を敢えて押し付けることはせず、
経営チーム4名と経営企画室3名で、
新しい経営のやり方を一からつくらせているところです。
これが今、私が取り組んでいる後継者の育成です。

 

将来のわが社を背負って立つ後継者に
貫いてほしいことは3つあります。

 

一つは、理念を実践し、社長をはじめ経営チームで
従業員に理念を伝えていってほしいと思います。
二つ目はサービスの品質を高める活動、
三つ目はわが社のサービスをお客様に知って頂く活動です。

 

それらを貫いていけば、
結果として、社会のため、お客様のため、
さらには、従業員みんなのためになると信じています。
ドラッカー教授はこう言っています。

 

明日マネジメントに当たるべき人間を
今日用意しなければならない。
ピーター・ドラッカー

 

重要なポイントだけを教え、あとは実践させる。
ここに小野会長の生きた教育があると思いました。
幹部の育成はどうあるべきか、私自身、学ばせて頂きました。

 

  • 経営は、走り切って終わるマラソンではなく、次の人につなぐ駅伝。
  • 後継とは、新たなことに挑戦し、事業を成長させること。
  • 後継者として大事なのは、能力より情熱、そして人間性。

 

 

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詳しくは、こちらでお読みになれます

ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 | 山下 淳一郎

人間関係に関わりなく、トップマネジメントはチームとして機能しなければならない。
ピーター・ドラッカー

 

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