マネジメントとは、人にかかわるもの
マネジメントは組織のための機関である。
組織がなければマネジメントはありえない。
その組織は社会のための機関である。
組織は、社会、経済、個人が必要とするものを提供することを目的とする。
機関とは”何を行うか”によって定義されるものではない。
何を貢献するかによって定義される。
ピーター・ドラッカー
第一に、マネジメントとは、人にかかわるものである。
その機能は、人が共同して成果をあげることを可能とし、
強みを発揮させ、弱みを無意味なものにすることである。
これが組織の目的である。したがって、組織の成功にとって
マネジメントは決定要因である。
今日では、ほとんどの者が大小さまざまな組織によって
雇用されている。それらの組織にはマネジメントがある。
彼らの生計は、そのマネジメントの巧拙にかかっている。
社会に貢献するにしても、個人の技能、献身、
努力だけで実現できるものではない。
彼らが属する組織のマネジメントの如何にかかっている。
第二に、マネジメントとは、人の働きにかかわるものである。
それぞれの文化と深いかかわりを持つものである。
マネジメントは、ドイツ、イギリス、アメリカ、日本、
ブラジルのいずれの国においても、
同じ役割を果たす。だが、その方法は大きく異なる。
したがって、途上国のマネジメントが直面する重要な問題の一つが、
自らのマネジメントに組み込みうる独自の伝統、歴史、文化を
判別することである。日本の成功とインドの後進性との差は、
日本が、輸入したマネジメントのコンセプトを
自らの土壌で育てたことにある。
第三に、あらゆる組織が、共通の価値と目的へのコミットを要求する。
そのようなコミットなくしては、組織は成立しない。
人の群れがあるだけである。したがって、あらゆる組織が
人を結集する目的を持たなければならない。
組織の目的は、共通のビジョンがもてるだけの大きさと
明快さをもたなければならない。
もちろん組織の目的から出てくる目標も、明快であって、
周知徹底し、常時確認されなければならない。
マネジメントの責務は、これらの目的、価値、目標について
検討し、決定し、提示することである。
第四に、マネジメントとは、ニーズと機会の変化に応じて、
組織とそこに働く者を成長させるべきものである。
組織はすべて学習と教育の機関である。
あらゆる階層において、自己啓発と訓練と啓発の仕組みを
確立しなければならない。
自己啓発と訓練に終わりはない。
第五に、組織は、異なる仕事をこなす
異なる技能と知識をもつ人たちからなっている。
したがって、意思の疎通と個人の責任が確立していなければならない。
組織のメンバーすべてが自らの目標について考え、
他の者がそれを理解していることを確かめなければならない。
同時に、自らが他の者たちのおかげを被っているものについて考え、
彼らが理解していることを確かめなければならない。
第六に、組織とそのマネジメントにとって、
成果の評価基準は産出量や利益だけではない。
マーケティング、イノベーション、生産性、人材育成、
財務状況などのすべてが、組織の成果として、
また組織の存続にかかわる問題として重要である。
NPOといえども、それぞれ具体的な目的に応じた
成果の評価基準を持たなければならない。
人間の健康度と業績を測るうえでも多様な尺度が必要である。
成果をつねに測定できるようにしておかなければならない。
少なくとも評価できるようにしておかなければならない。
さらには改善していかなければならない。
第七に、もっとも重要なこととして、
組織の成果はつねに外部に存在する。
企業の成果は顧客の満足であり、病院のそれは患者の治癒であり、
学校のそれは生徒が何かを学び10年後にそれを使うことである。
組織の内部にはコストが発生するにすぎない。
組織のマネジメントたるものは、これらの原則を理解し、
その理解に基づいてマネジメントしなければならない。
そうすることによって、はじめて成果をあげることができる。
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