一人で背負わないようにする
経営幹部に恵まれながらも、
幹部の仕事ぶりに頭を抱えるトップは少なくありません。
組織は、会社の精神に共感するところから築かれています。
幹部とは、「事業方針に関する考えの違いについて
最後までトップと戦い抜ける人」です。
したがって、トップは、幹部を自分の分身のように
しようとする考えを捨てなければなりません。
俗に、右腕といった表現がされますが、
その右腕は、「トップの分身であってはいけない」のです。
組織全体を考えた時、本当にに自分は何をすべきか、
会社が目指すものを考え抜いた時に自分はどんな責任を引き受けるべきか、
を明らかにすることによってはじめて幹部は、
仕事を通して成長していきます。
仕事の中で成長せざるを得ないような仕事を担ってもらう、
言葉を変えれば、そのような仕事を与えるということです。
なぜなら、幹部は研修や勉強会で成長しないからです。
人は仕事を通してでしか成長しないからです。
ドラッカーはこう言っています。
組織構造は自然発達していくものではない。
組織の中で自然に発達していくものは、混乱、摩擦、不毛だけである。
ギリシャの神殿なゴシックの建造物が感覚だけで生み出せないように、
正しい構造、あるいはそれらしきものさえ感覚では生み出すことはできない。
ピーター・ドラッカー
トップは、その立ち位置から組織内のすべてが見えています。
ところが、実際は見たいものが見えているに過ぎません。
何かに関心が注がれれば、その関心事にエネルギーが注がれます。
その関心事の全容がつかめる時、
「すべてが見えている」といった錯覚が起こります。
人間の認識能力にはおのずと限界があります。
ゆえに、チームで進めることによって
はじめてあらゆる角度から検証された戦略で
経営を進めることができるようになるのです。
「会社を、事業を、ありとあらゆる決定を
一人で背負わないようにする戦い」こそ
トップのつとめです。
経営チームをつくりたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。