監督することはできない
知識労働者を直接、あるいは細かく監督することはできない。知識労働者は自らをマネジメントしなければならない。自らの仕事を業績や貢献に結び付けるべく、すなわち成果を上げるべく自らをマネジメントしなければならない。
ピーター・ドラッカー『ネクストソサエティ』
PDCAは品質管理の手順、人間は"品"ではない
PDCAとは、モノづくりの生産性を高めるためにウォルター・シューハート氏、エドワーズ・デミング氏が提唱した品質管理方法の一つです。その後、エドワーズ・デミング氏はCheckをStudyに置き換え"PDSA"と改正されました。それはモノづくりの生産性を高める手順であって方法ではありません。
改正前
- Plan(計画) : 業務計画を作成する
- Do(実行) : 計画に沿って業務を行う
- Check(確認) : 実行が計画に沿っているかどうかを確認する
- Act(改善) : 実行が計画に沿っていない部分を調べて処置をする
改正後
- Plan(計画) : 業務計画を作成する
- Do(実行) : 計画に沿って業務を行う
- Study(評価) : 実行が計画に沿っているかどうかを評価する
- Act(改善) : 評価の結果に基づいて改善する
ちから仕事は、1人よりも10人の方がいいと誰もが言うでしょう。それでは、考える仕事の場合はどうでしょうか。わたしたち人間は、考えがぶつかることもあります。言うまでもなく、人間の思考は一定の生産性を維持する機械的なものではありません。したがいまして、一つの企画を考えるといったような場合、1人で考えるより10人で考える方がいいとは一概に言い切れません。
PDCAとPDSAは、モノづくりの効率をあげるのにしたものであっても、考える仕事の効率を高めるには適しません。ゆえに、絶対にPDCAはやってはいけないのです。ドラッカー教授は、"組織で成果をあげるために共通する5つの仕事"を明らかにされました。
- 何のために (Mission)
- 誰に (Customer)
- 何を (value)
- 何を成果として (Result)
- どのように (Plan)