ドラッカーの言葉
いかなる組織といえども、その業績はトップマネジメントにかかっている。あらゆる仕事のなかで、もっとも組織化することが難しいのがトップマネジメントの仕事である。しかしそれは、もっとも組織することの必要な仕事である。
ピーター・ドラッカー
経営チームが必要
ご質問にある「それ」とは経営チームのことですね。野球は一人でできませんし、サッカーも一人でできません。一人でできるのは練習だけです。野球もサッカーもチームでなければ試合をすることはできません。経営もそれと同じです。一人でできるのは学習だけです。経営者の仕事はチームでなければできません。どんなに優れた人であっても生身の人間である以上、得意な仕事と得意ではない仕事があります。一人できることには限界があります。すべての責任はトップ一人にあることは言うまでもありませんが、トップには自分と同じ意識を持って仕事にあたってくれる人が必要です。
業績が低迷する原因を社員に能力や社員のモチベーションに求めてしまうことがあるかもしれません。つい、社員が変われば会社は変わると考えてしまいがちです。しかし、「社員が変われば会社は変わる」のではなく、「トップが変わるからこそ会社は変わる」のです。ここでいう「変わる」とは、新しいスキルを高めることや新しい知識を身に付けることと言ったものではなく、「いま一人で行っている経営の仕事を複数人で行うようにする」ということです。
経営をトップ一人で仕切り続けてしまえば、トップが持つ限界が事業の限界となってしまいます。一人の限界を超えて事業を繁栄させるために、経営にはチームが必要なのです。どんな会社も、その業績はトップの経営にかかっています。一人の限界が事業の限界にならないためにも、経営を複数人の協力関係からなる仕事として進めていってください。