得意とする仕事のやり方を向上させる
今さら自分を変えられない。今さら自分を変えようとしてはならない。巧くいくわけがない、自分の得意とする仕事のやり方を向上させることに力をいれるべきである。
ピーター・ドラッカー 『経営者の条件』
その人が得意とする仕事のやり方を向上させる
リーダーとは、すべての能力を備えた人。それは違います。たしかに、リーダーが学ぶべきことは、多くあります。下記のような役割を全うしようと思えば、様々な能力が求められることは、言うまでもありません。しかし、すべて一人で行わなければならないのかということ、そうではありません。複数人の協力関係からなる仕事と組み立てることによって、多元的な役割を全うすることが可能になります。
とくに、リーダーとは、「人の動かすこと」という言葉は、もってのほかです。それは、人を動かす側と人に動かされる側がいるという的外れな考えの上に成り立っている言葉です。一方で、リーダーを体系的に学ぶ教育プログラムは、この世に無数に存在します。
能力やスキルといっても個性のうえに生きてくるものですから、学習という点で見た場合、いわば「自己流」の域を超えないものです。ドラッカー教授は、自分を大きく変えようとしてはならないと言われています。それではうまくいかないからです。そんなことより、自分が得意とする仕事のやり方を伸ばし、強みのうえに強みを築くことを教えてくれています。その人を変えようとせず、その人が得意とする仕事のやり方を向上させることに力をいれてください。
経営幹部の役割
- ・われわれの事業はなんであり、またどうあるべきかを考える
- ・事業全体の目標を設定する。
- ・戦略計画を作成する。
- ・明日のための意思決定を行う
- ・基準の設定、良心としての機能を果たす
- ・目標と意思決定の内容を幹部マネジメント全体に理解させる
- ・経営管理者に対し、事業を全体として見るよう教える
- ・事業全体の目標から自分の目標を導き出すことを助ける
- ・目標に照らして、彼らの仕事ぶりと成果を評価測定する
- ・事業の目標を点検し、修正していく
- ・経営幹部の人事について意思決定を行う
- ・将来の経営管理者の育成が行われるようにする
- ・社員のモチベーションを高める施策を考える
- ・組織構造について基本的な意思決定を行う
- ・部門間の対立を仲裁し、関係を改善する
- ・新規事業や新商品開発についての意思決定をする
- ・投資計画や資金調達について意思決定を行う
- ・新入社員や若手幹部との懇親を行う
- ・大口客からのクレームに対処する
- ・対外的な活動や、業界の集まりに出る