必要な利益は最後にわかるもの
マーケティングから社会的責任までの七つの領域における目標を徹底的に検討し設定して初めて、「どれだけの利益が必要か」との問いに取り組むことができる。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
マネジメントの目的は利益ではない
わたしは、儲かればそれでよしとする経営者とはお付き合いしていません。そのような方を意識的に避けているつもりはありませんが、結果としてそのよ うな環境になっています。儲かればそれでよしとするものは経営ではありませんし、ドラッカー教授が厳しく指摘する、「安く買って高く売ることの言い換えに 過ぎない」、ものです。このように述べると、「それは綺麗ごとだ」と悲しい反論を受けることがあります。主張したいことは、利益は考えないでよいというこ とではなく儲けを目的としてはいけないということです。
企業は、お客様に喜んでいただくために存在しています。現在も未来も喜んでいただくために、その資源として利益は絶対に必要です。ゆえに、トップマ ネジメントは、「利益」について考え抜かなくてはなりません。ドラッカー教授は、七つの領域に目標を設定して初めて「利益」について取り組むことができる、ということを教えてくれています。ドラッカー教授がいう七つの領域とは、次の通りです。
マーケティングから社会的責任までの七つの領域
- 今日のお客様に応えるためにどのような取り組みが必要か
- 明日のお客様をつくり出すためにどのような取り組みが必要か
- 従業員に活躍してもらい成長してもらうためにどのような取り組みが必要か
- 事業を進めるためにどのようなモノが必要が
- 事業を進めるためにどれくらいの資金が必要か
- 最小の努力で最大の成果をあげるためにどのような取り組みが必要か
- 不祥事が発生しえないためにどのような取り組みが必要か