全員に事業の・・・
大企業では、人と人とが直接知り合うことは難しい。仕事を通じて仕事と成果を知り合うことは、もはやできない。最終の成果さえ知りえないために、自らの活動の焦点を貢献に合わせることが難しい。したがって、全員に事業の目標、優先順位、戦略を知らせる必要がある。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
まずは、何をもって成果とするか明らかにする
組織が大きくなれば、たとえ一つの会社であっても、部門によってマネジメントの 考え方、やり方が何から何まで違います。トップで決められたことは、そう簡単に現 場まで浸透しませんし、むしろ誤った情報の方が早く伝達されることがしばしばあります。
マネジメントは組織で成果をあげるための手段であって、組織を一つの型にはめ込 むことではありません。個々の部門が成果をあげやすく支援することが、最高意思決 定機関であるトップマネジメントの仕事です。 つまり、それぞれの組織が適切に運営されるように支援することです。適切な運営 とは、言うまでもなく成果をあげられる状態をつくりあげるということです。
大企業の組織運営の課題は、「規模の大きさ」ではなく「複雑さ」によるものです。 その複雑さが事業の重荷になり、皮肉にも、秩序とルールによってつくられた組織が 生産性をすこぶる低下させます。 多くの組織が「調整」と呼ばれる「根回し」に忙しくしていることが、その現実を物語っています。「成果をあげること」より「組織の都合」が優先され、組織の都合を守ることが仕事そのものになってしまいがちです。 そうならないために、ぜひ次の3つを実行してください。
- 組織全体の成果を明らかにする
- 部門間の協力関係をつくる
- それらのことを各部門の仕事に落とし込む