事業の定義が有効であるための四つの条件
第一に、環境、使命、強みについての前提が、
それぞれ「現実」に合致しなければならない。
第二に、事業の定義に関わる三つの前提は、
それぞれが「互い」に合致していなければならない。
GMが数十年にわたって隆盛をきわめた理由がここにあった。
GMは、市場についての前提と生産についての前提を完全に合致させた。
しかも、同社はすでに20年代半ばに、他社にはない特有の強みが
必要であるとの結論に達した。それが製造プロセスの財務的な
コントロールであり、投資についての意思決定手法の開発だった。
こうして GM は、自ら原価計算と投資評価の手法を開発した。
第三に、事業の定義は、
組織全体に周知徹底しなければならない。
これは、組織が若いころには容易である。しかし成長するに伴い、
その定義を当然のこととし、特別に意識しなくなる。
万事が当たり前になり、手軽に済ますようになる。正しいことよりも、
都合のよいことを追いかける。考えなくなる。疑問を持たなくなる。
答えを覚えていても、問題が何であったかを忘れる。
事業の定義がいわば習慣となる。習慣を持って規律に変えることはできない。
しかるに、事業の定義はそれ自体が「規律」である。
第四に、事業の定義は、たえず検証していかなければならない。
定義は、石板に刻んだ碑文ではない。仮説にすぎない。
社会、市場、顧客、技術という、
つねに変化してやまないものについての仮説である。
したがって、自己変革の能力そのものを、
定義のなかに組み入れておかなければならない。
ドラッカーの話を聞きたい社長様へ
基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。
「ドラッカーのセミナー」を見る