効果的な行動をもたらすために
大事なのは、問題への答えではなく、問題についての理解である。意思決定とは知的な遊戯ではない。効果的な行動をもたらすために、ビジョン、エネルギー、資源を総動員することである。
ピーター・ドラッカー『マネジメント』
「起こっていること」より「それを起こしているもの」
いま御社に起こっていることのほとんどが、実はほかの会社でも起こっています。たとえ御社だけにしか起こっていない問題であったとしても、それはごくわずかです。不思議と言えば不思議であり、当然と言えば当然なことですが、まったく違う会社が、まったく同じ問題を抱えています。事実、経営者が行う意思決定の約90%は、同じことの繰り返しであることが、ある調査結果からわかっています。
経営者が経営を行ううで、直面する問題のほとんどが、特殊な問題ではなく、一般的な問題なのです。同じ問題に対して、毎回毎回違う問題として取り扱い、時間を費やしてしまっているのが現実です。「大事なのは、問題への答えではなく、問題についての理解である」、です。ドラッカー先生は、「起こっていること」よりも「それを起こしているもの」に着目する重要性を教えてくれています。
下記は、『経営者が遭遇する問題の根本的な原因』です。一部ですが、どれか一つでも当てはまるとすると、これからも同じ問題に引きずり込まれ、事業の繁栄は妨げられたままとなってしまいます。「起こっていること」ではなく、「それを起こしているもの」を明らかにするために、チェックしてみてください。
□ 事業の目的が共有されていると錯覚しているため
□ 事業の目的が売上げと利益になっているため
□ 業務について話し合っても事業について話し合っていないため
□ お互いの考えの違いに気が付かず、それを放置しているため
□ 部分最適の足算がなされ、全体最適に取り組んでいないため
□ 常に唯一一つの正しい正解があると考えているため
□ 勘と経験、賢さに頼って経営を行っているため
□ 今までのやり方から離れられないため
□ 事業が組織力を超えて成長したときに起こる問題の原因を幹部に求めるため
□ 経営幹部を事業部の部門長としてのみ扱っているため
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続く。