いかなる職業においても、そこで最高の業績をあげている人たちは、
自らが訓練し育てた人のことを、自らが残すことのできる最も
誇るべき記念碑と見ている。
ピーター・ドラッカー
ドラッカー教授は、次のように言われています。
企業が社会の基幹的な機関となったからには、
マネジメント教育は社会にとって必要不可欠のことである。
すでに他の重要な組織、例えば教会や軍にとっては、
明日のリーダーを見つけ育てることは、
それぞれの組織でも最高の人物が手がけるべき仕事とされている。
しかも今日のマネジメントにとって、明日のマネジメントを育てることを期待されることほど
、彼ら自身の意欲、ビジョン、成果に効果のあることはない。
人に教えることほど自らの勉強になることはないのと同様、
人の自己啓発を助けることほど自らの自己啓発に役立つことはない。
事実、人の成長に手を貸すことなく自らが成長することはありえない。
自らの自らに対する要求水準が上がるのは、人の成長に手を貸すときである。
いかなる職業においても、そこで最高の業績をあげている人たちは、
自らが訓練し育てた人のことを、自らが残すことのできる最も誇るべき記念碑と見ている。
もちろんこれらのことは、企業についてと同様、公的サービス機関についてもいえる。
今日、組織人間と人間疎外について多くのことがいわれている。
しかし、身分、階級、因襲、血縁に縛られた昨日の村落よりも、
今日の組織のほうが個を抑圧するものになっているかどうかはきわめて疑わしい。
かつての社会よりも、今日のほうが人間疎外が進行しているのも大いに疑わしい。
そもそも疎外なるものが初めて指摘されたのは、現代企業ではなく、
キルケゴールが生きた一九世紀のデンマークの工業化以前の農村においてだった。
しかし、没個性と人間疎外が、昔よりも今日のほうがひどいか否かは別として、
社会のこの二つの病いへの効果的な対応が、自己啓発の決意であり、
越性の追求であることに違いはない。