意思決定とはトップが行うものであり、トップが行う意思決定だけが
重要であるかのごとき議論がある。大きな間違いである。
組織としての意思決定はスペシャリストから現場の経営管理者まで
あらゆるレベルで行われている。
ピーター・ドラッカー
何を決める必要があるのか
下記は、ITmediaエグゼクティブで執筆した連載の一部を紹介しています。
意思決定はあらゆるレベルで行われている
今回のテーマは、成果をあげる人の第4の習慣
「意思決定を行う」だ。私たちは、正解が用意された問題を解く
という形態の学習を経験してきた。その経験からか、
全ての物事には一つの正解があると思い込んでしまう。
正解があるのは問題集だけだ。
実際、仕事は日々正解のない問題に直面する。
まさに仕事は判断の繰り返しであり、決断の連続だ。
正解がないから考えを決めなければならない。
考えを決めることを意思決定という。
意思決定はトップが行うものであって、
管理職や一般社員には関係ないと考える人もいる。
本当にそうなのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。
意思決定とはトップが行うものであり、
トップが行う意思決定だけが重要であるかのごとき議論がある。
大きな間違いである。組織としての意思決定はスペシャリストから
現場の経営管理者まであらゆるレベルで行われている。
ピーター・ドラッカー
意思決定はあらゆるレベルで行われている。
今日何をどう決定したかによって明日の成果が決まる。
従って、成果をあげるべく働いている全てのビジネスマンにとって、
意思決定は極めて重要なのだ。
4つのことを決める
ある企業でこんなことがあった。
その企業は急速に成長したIT系の企業で
9つの事業部で組織が構成されていた。
マーケティングに強い事業部、システムに強い事業部、
大型案件に向いている事業部、大手企業に向いている事業部、
中小零細企業に向いている事業部と、いつしか事業部それぞれの
特徴をもつようになっていた。
ある日、大きな案件が舞い込んできた。
経営チームはその案件をどこの事業部に任せるべきか話し合った。
大型案件に向いている事業部に決まった。
早速、事業部の責任者が呼び出され、彼はその決定を知った。
そして、自分の事業部に戻り、実行の責任者となる部下に
その案件の全容を伝えた。すると、部下から
思いも寄らない声が返ってきた。
「スケジュールはびっしり詰まっています。
そんな大きな仕事に対応することはできません」
部下は口には出さなかったが、上の無謀な決定に腹を立てた。
また、事前確認もしないで、その決定を安易に受け入れた
事業部長に対しては、さらに腹を立てていた。
事業部長は部下の話を聞くと部下の主張が事実であることを理解した。
一度、経営チームで意思決定されたことは宙に浮いてしまった。
その大型案件は行き場がないまま、経営チームのところに戻った。
その時の経営チームが行った意思決定は、意思決定とはいえなかった。
意思決定がちゃんとした意思決定になるために、
何を決める必要があるのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。
続きはITmedia エグゼクティブへ
ドラッカーが教える成果をあげる人の8つの習慣
「第1の習慣 なされるべきことを考える」を読む
「第2の習慣 組織のことを考える」を読む
「第3の習慣 アクションプランをつくる」を読む
「第4の習慣 意思決定を行う」を読む(このページ)
「第5の習慣 コミュニケーションを行う」を読む
「第6の習慣 機会に焦点を合わせる」を読む
「第7の習慣 会議の生産性をあげる」を読む
「第8の習慣 私はではなくわれわれを考える」を読む