「マネジメント=PDCA」ではない
東証一部上場企業様を中心に、
ドラッカーの役員研修を行っている会社です。
PDCAの起源
戦前戦中の日本はあらゆる組織を
戦争に役立つように整え、戦力で国の威厳を
高めようという考えに立っていました。
戦後、GHQの最高司令官マッカーサーは、
国民自身の力で国民の自由を作れるような
日本に変えることが、自分の役割だと考えました。
彼は、今後の日本の発展のために、
数百人の学者を日本へ呼び寄せ、
必要な知識を学ぶ機会を日本人に与えました。
デミングの手法
あなたもご存じのように、その学者の中に、
米国イェール大学の教授でエドワーズ・デミング
という統計学者がいました。ドラッカーの後輩であるデミングは、
工場の生産性を高めるために、統計が生かせると考えました。
1947年、彼は製造業において品質を
一定の水準に保つための手法を日本の経営者に教えました。
日本の製造業は、デミングの提唱した手法を取り入れ、
品質の向上に成功しました。
そして、日本は世界が驚く製品を作るまでになりました。
トヨタや日本電気をはじめ、多くの企業が
デミングの手法を取り入れたのです。
その手法はやがてPDCAと称され、その名は広く知れわたり、
「マネジメント=PDCA」と誤認されるようになりました。
マネジメントの父の書にPDCAはない
マネジメントの父・ドラッカーの著作の中に
PDCAという言葉は一つも出てきません。
PDCAは、機械で造った製品の不良率を下げるために
考え出された品質管理の手法なのです。
昨年ヒット商品を生み出したからといって
今年もヒット商品と出せるとは限りません。
どんなに優れたアイデアマンも、頭が冴えず、
いいアイデアが浮かばないことがあります。
人間ですから。
PDCAは、人間の仕事を対象にしたものには適さないのです。
人間は、機械のように仕事をしませんし、
機械のように同じ結果を出せるとは限りません。
成果を上げる7つのこと
人間は機械にしてはあまりにお粗末な設計であると、
ドラッカーは言っています。
PDCAに人間の仕事にあてはめてしまえば、
思いもよらない進化の芽を摘んでしまい、
現れるはずの活性を封じ込めてしまいます。
原理原則は時代が変わっても変わりません。
しかし、方法論は時代が変われば変わります。
既に時代は大きく変わっています。
PDCAという方法論は過去のものです。
ハーバード大学はPDRを推奨しています。
PDRとは、Prep(実行するために必要な準備)、
Do(実行)、Review(結果から得られる教訓)のことです。
人と人が協力し、組織で通じて成果をあげるようになった
今日の社会にあって、方法論は簡素化されても、
仕事そのものは複雑になっています。
具体的には、次の手順です。
- 何のためかを問いただす。
- 得たい結果を明らかにする。
- 何を実行するかを決める。
- それを実行するために必要なことを決める。
- その仕事に誰が関わるかを明らかにする。
- その仕事は誰に影響を与えるを明らかにする。
- 誰に何を共有すべきかを明らかにする。
5つの質問は「答えを出して終わり」ではなく「問い続けるもの」です。
改善よりも改革を行ってください。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカー5つの質問 | 山下 淳一郎
成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによって
成功がもたらされている。
ピーター・ドラッカー
経営チームを強化したい社長様へ
いかなる組織といえども、その業績はトップマネジメントにかかっている。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには、経営チームが不可欠です。
さらなる発展のために、経営チームをつくりましょう。