経営力を高めたい社長様へ
上場企業様を中心に、
ドラッカーの役員研修を行っている会社です。
多くの経営者が座右の書として「ドラッカー」を上げている。
そもそもなぜ経営者はドラッカーを読むのか。
ドラッカー専門のコンサルタントである山下氏によれば、
「それは、社員としての仕事と経営者の仕事がガラッと変わってしまうから」だという。
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そして、そんな経営者に道を示してくれるのがドラッカーなのだ。
数あるドラッカーの教えのうち、経営者にまず知っておいてもらいたいという
「5つの質問」について寄稿してもらった。
取締役になった瞬間、仕事がわからなくなる
![ドラッカー5つの質問_101501.jpg](https://topmanagement.co.jp/first/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC5%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F_101501.jpg)
「社長、経営って何ですか? 経営って何をすればいいんですか?」。
これは以前、私が取締役の任命を受けた時、当時の上司である社長に言った言葉です。
営業部の仕事は営業をすることです。経理部の仕事は経理をすることです。
それと同じように、経営者の仕事は経営をすることです。
経営者という肩書があるから経営者なのではありません。
経営の仕事をするから経営者なのです。
とはいえ、何をすれば経営をしていると言えるのか、
何をしなければ経営をしていないことになるのか、
当時の私はそれがまったくわかりませんでした。
その時の社長の答えは、「それを考えるのが君の仕事だろ」でした。
厳しい口調でしたが今思えば、「経営者の仕事は何をするべきかを考えることだ」
と教えてくれた気がします。
私は、取締役に昇進して嬉しかったものの、
事実上、社会人1年生に逆戻りしたのと同じでした。
しかも、「自分の仕事は自分で考えなさい」ですから、
私は困り果ててしまいました。
自分の仕事にしか手が回らない取締役
![ドラッカー5つの質問_101502.jpg](https://topmanagement.co.jp/first/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC5%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F_101502.jpg)
私は仕事柄、多くの経営者の方々とお会いする機会に恵まれました。
ところが、多くの経営者は、名刺に取締役と書かれながらも
営業出身の人は客先を走り回っていて、経理出身の人は相変わらず電卓を叩いています。
特に取締役の多くの方々は、取締役兼○○部長といったように、
一つの部門の責任者を兼任されています。その、取締役兼○○部長は
担当部門の仕事にフル回転で、とても経営の仕事に時間を割くことはできません。
たとえ経営会議に出席していても、頭の中は
「自分の仕事が溜まっていて忙しいんだ。
早く自分の仕事に戻りたい」と思っていることでしょう。
ほとんどの経営者は、営業部、管理部といった
一つの部門の仕事を経験して経営者になっています。
ほとんどの経営者は、ある分野の仕事で
経験を積んで経営者になっています。
それが、ある日経営者になった途端、
仕事の勝手がガラリと変わります。
社員と取締役の仕事は「地球と宇宙」ほど違う
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地球で方向性を規定するものは東西南北です。
現在の位置を特定するものは緯度経度です。
仮にあなたが、地上を飛び立ち宇宙に行ったとします。
宇宙で方向性を規定しようと考えても
宇宙に東西南北はありません。
また、現在地を把握しようと思っても
宇宙に緯度経度はありません。
地球と宇宙とでは何から何まで勝手が違います。
それと同じように、これまで経験を積んできた分野の仕事と
経営者の仕事は勝手はまったく違うのです。
経営者になった本人も経営者として
どう仕事にあたっていいかわからないのです。
経営者はその勝手の違いに戸惑いを感じながら、
これまで経験した分野の仕事を手掛かりに、
日々様々な難題と格闘しています。
これまで慣れ親しんだ仕事に引っ張られ、
一つの部門の責任者としての仕事に専念してしまい、
日々過密なスケジュールを全力で駆け抜ける中で、
頭の中のリストから経営という仕事が消えていってしまいます。
それが、経営者の現実です。
経営者の迷いを払拭する「ドラッカー5つの質問」とは?
![ドラッカー5つの質問_101504.jpg](https://topmanagement.co.jp/first/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC5%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F_101504.jpg)
経営者の仕事は、「考えること」「決めること」「行なうこと」、
この3つに尽きます。こう言い切ってしまうと、
あまりにもシンプルに聞こえてしまいますが、
経営者の「考えること」は気が遠くなるほど多岐にわたり、
経営者の「決めること」は絡み合ったコードの様に複雑で、
経営者の「行なうべきこと」は体がいくつあっても
足りないほど多くあります。
では、経営者の役割を果たすために、
何を考え、何を決め、何を行なえばいいのか。
経営者のそんな難題に助けの手を差し伸べてくれるものが、
ドラッカー5つの質問です。
これは、自分たちの使命は何か、
自分たちはどんなお客様のお役に立ちたいのか、
お客様が望んでいることは何かということについて、
いろいろな角度から考えを巡らし、
様々な視点から会社の考えをしっかり固めていきましょう、
ということが質問形式でまとめられているものです。
具体的には、以下の5つです。
第1の質問 われわれの使命は何か
第2の質問 われわれの顧客は誰か
第3の質問 顧客の価値は何か
第4の質問 われわれの成果は何か
第5の質問 われわれの計画は何か
![ドラッカー,山下淳一郎140.jpg](https://topmanagement.co.jp/growing/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%2C%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E6%B7%B3%E4%B8%80%E9%83%8E140.jpg)
会社と言っても人間の集まりです。
事業と言っても人間が人間に行なう行為です。
人間が人間として仕事をするためには価値ある目的が必要ですし、
仕事の向こうにいるお客様のことを考えなければ
価値ある事業になり得ません。
人間を離れて会社もありませんし、人間を離れて事業もありません。
名経営者がドラッカーを読むのは、すべての物事の真ん中に人間を置いて、経
営者としてのあるべき姿を教え導いてくれるからです。
「使命」は決して、きれいごとではない
![ドラッカー5つの質問_101505.jpg](https://topmanagement.co.jp/first/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC5%E3%81%A4%E3%81%AE%E8%B3%AA%E5%95%8F_101505.jpg)
この問いのうち第一のものは「われわれの使命は何か」です。
使命とは、「会社をこう良くしたいという自分たちの都合」
ではなく「社会をこう良くしたいという内面から込み上げるエネルギー」であり、
社会のお役に立てる具体的な何かです。
こういうと、「厳しい世の中、そんな綺麗ごと言ってられないぞ」
とお叱りを受けそうです。もちろん、売上や利益は会社が
生きていくためになくてはならないものです。
しかし売上や利益は事業の目的ではありません。
ドラッカーはこう言っています。
組織に働く者は、組織の使命が社会において重要であり、
他のあらゆるものの基盤であるとの信念をもたなければならない。
この信念がなければ、いかなる組織といえども、自信と誇りを失い、
成果を上げる能力を失う。
ピーター・ドラッカー
使命が会社で共有されていなければ、
会社で働く一人ひとりの力は発揮されず、
会社は成果をあげられなくなってしまいます。
たとえばファーストリテイリングの柳井会長も、
著書『経営者になるためのノート』(PHP研究所)の中で、
「経営者とは成果をあげる人であり、
一番大事なことは社会における自分たちの存在意義、
つまり、使命を考えること」
だと言っています。
![ドラッカー,山下淳一郎140.jpg](https://topmanagement.co.jp/growing/upload/%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%AB%E3%83%BC%2C%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E6%B7%B3%E4%B8%80%E9%83%8E140.jpg)
経営者の方、あるいはこれから経営者を目指す方は、
ぜひこの「ドラッカーの5つの質問を胸に、
使命を確立され、さらなる繁栄を目指していってほしいと思います。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカー5つの質問 山下 淳一郎
成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによって
成功がもたらされている。
ピーター・ドラッカー
5つの質問を取り組みたい社長様へ
![お客様事例_経営チーム1401.jpg](https://topmanagement.co.jp/learn/upload/%E3%81%8A%E5%AE%A2%E6%A7%98%E4%BA%8B%E4%BE%8B_%E7%B5%8C%E5%96%B6%E3%83%81%E3%83%BC%E3%83%A01401.jpg)
いかなる組織といえども、その業績はトップマネジメントにかかっている。
ピーター・ドラッカー
今以上に事業を伸ばしていくためには、経営チームが不可欠です。
さらなる発展のために、経営チームをつくりましょう。
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