取締役を強化したい社長様へ
視界を閉ざす部門間の
ほとんどの人がある部署に配属され、
その部署で仕事をしています。
一つの分野で経験を積みながら力をつけていきます。
何年か経ち、技術の担当者は技術課長へ、
経理の担当者は経理課長に昇進します。
その昇進の基準となるのは、
その分野での能力によるものです。
たとえ技術課長や経理課長として
マネジメントの仕事をしたとしても、
その部署の仕事の範囲を出るものではありません。
技術部長や経理部長に昇進した人が、
さらに何年か経ち、経営幹部に昇格したとします。
昨日まで技術部長や経理部長だった人が、
ある日突然、経営チームの一員として
会社全体に立った視野で
仕事に当たらなければならなくなります。
この瞬間、仕事の勝手が大きく変わります。
一つの分野に専念してきた技術部長や経理部長は、
経営者として必要な知識と十分な訓練を
受けているとは言えません。
それどころか、これまで仕事をしてきた分野で
培ってきた知識と経験がかえって
経営者としての仕事の妨げになる場合があります。
ドラッカーはこう言っています。
一つの部門で仕事をしてきた責任者は、経営者に必要な知識と訓練に欠いている。
これまで仕事をしてきた分野で培った知識と経験が、経営者の仕事の妨げになる。
経営者として任命を受けたとしても、会社全体に立った視点を持てないままでいる。
ピーター・ドラッカー
物の考え方・物の見方
社長、経営って何ですか―。
これは以前、私が取締役に任命されるときに、
当時の社長に言った言葉です。
営業部の仕事は営業をすることですし、
経理部の仕事は経理をすることです。
同じように、経営者の仕事は経営をすることです。
しかし、何をすれば経営をしていることになるのか、
何をしなければ経営をしていないことになるのか―。
当時の私は、まったくわかりませんでした。
理屈ではわかっていたつもりでしたが、
何もわかっていなかったことに気付かされました。
私は、社長が丁寧に教えてくれることを期待して、
「社長、経営って何ですか?」
と尋ねたのです。取締役として何をすればいいのですか、
と聞いたのです。社長の答えは、
「それを考えるのが君の仕事だ!」という一言だけでした。
厳しい口調でしたが、いま思えば
「経営者の仕事は何をするべきかを自分で考えることだ」
と教えてくれた気がします。
取締役に昇進することは内心うれしかったものの、
私は、社会人一年生に逆戻りしてしまいました。
しかも、上司が「自分の仕事は自分で考えなさい」
と言うわけですから、私は困り果ててしまいました。
先ほどお伝えしたように、ほとんどの経営者が、
技術なら技術、営業なら営業と、
一つの分野で経験を積んで経営者になっています。
それが経営者になった瞬間に
仕事の勝手が変わるのです。ゆえに前もって、経営者としての
「物の考え方」「物の見方」を教えておく必要があります。
それが、経営人材の育成です。
詳しくは、こちらでお読みになれます
ドラッカーが教える最強の後継者の育て方 山下 淳一郎
明日のマネジメントを担うべき人材を今日準備しなければならない。
ピーター・ドラッカー
後継者を育成したい社長様へ
明日のトップマネジメントを育成し、 組織の精神をつくりあげなければならない。
ピーター・ドラッカー
将来にわたって繁栄し続けるためには、人材育成が不可欠です。
会社の明日を担う、経営人材を育成しましょう。
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