経営チームの課題

何から何まで一人で決めている社長様へ

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アクションポイント
最近、なんとなく、決めてしまったことを書き出してみてください。

経営チームのメンバーはそれぞれが最終決定者です。
だからといって、各メンバーが何から何まで
勝手に決めてしまえば、組織は混乱してしまいます。

1959年、マッキンゼー・アンド・カンパニー社は
海外オフィスを開設し、ヨーロッパで事業を成功させ、
その後、日本でも事業を拡大していきました。
同社の社長だったマービン・バウワーは
のちに次のように言いました。

「あの時、全員が賛成していたら海外進出は
うまくいかなかった。反対意見から多くの課題が見つかった。
反対する人間がいたから、十分な話し合いができた。」

このように、チームで話し合わなければ、
決められないことがたくさんあります。
そして、チームで話し合ってこそ、
成功を得ることがたくさんあります。
ドラッカーはこう言っています。

第五に、トップマネジメントチームのメンバーは、
自らの担当分野では自ら意思決定を行わなければならない。
しかし、ある種の意思決定はチームに保留する必要がある。
それらは、チームとしてのみ判断しうる問題である。
すくなくともその種の意思決定は、決定する前に、
トップマネジメントのチーム内で検討しなければならない。

ピーター・ドラッカー

事業を成功させ、事業を繁栄させていくためには、
徹底的な話し合い、意思の疎通が必要なのです。
ソニー創業者の盛田昭夫氏が副社長、田島道治氏が
会長だった頃の話です。

盛田氏と田島氏は意見の食い違いが度々ありました。
盛田氏はあるとき、意見の相違で田島氏が怒っているのを承知で、
自分の意見を強硬に主張し続けました。田島氏は盛田氏に
ますます苛立ちました。その苛立ちが限界に達した田島氏
は盛田氏にこう言いました。

「盛田君、君と私は意見が違う。私は絶えず意見が
対立するような会社にいようとは思わない。今すぐ辞める。」
盛田氏は臆せずこう言いました。「お言葉ではありますが、
あなたと私がすべての問題についてそっくり同じ考えを
持っているなら、私たち二人が同じ会社にいて、
給料をもらっている必要はありません。
その場合、私かあなたのどちらかが辞めるべきでしょう。

この会社がリスクを最小限に抑えて、
どうにか間違わないですんでいるのは、あなたと私の意見が
違っているからではないでしょうか。どうぞお怒りにならず、
私の考えを検討してみてください。私と意見が違うからと言って
お辞めになるというのは、会社がどうなってもよい
ということでしょうか。」

盛田氏が田島氏に言ったことを要約すると次のようになります。
「成果を生む意思決定は、対立する意見による熟考の果てに
生まれるのです。だから、これからも徹底的に話し合っていきましょう。」
成果を生む意思決定を生み出すために、御社の経営チームも
徹底的に話し合ってください。

＜経営チーム6つの条件＞

□ 経営チームで話し合うこと