
イノベーションに成功する者は、あらゆる機会を検討する。自分に最も適した機会はどれか、組織に最も適した機会はどれか、自分たちが得意とし実績のある能力を生かしてくれる機会はどれかを考える。
ピーター・ドラッカー『イノベーションと起業家精神』
今後の日本に、
右肩あがりが望める材料はそう多くありません。そうであるからこそ、事業は常なるの進化が求められます。常なる進化こそ組織が存続 していくための生命線であり条件と言えます。たしかに、いまの経済の低迷は、わたしたち経営者に厳しいものとして迫る現実であります。同じく景気にせい にしても何もはじまらないのも現実です。
業績が思わしくない理由を冷静に大別すると、「市場が縮小していること」と「顧客ニーズとのズレがあるこ と」の2つが考えられます。かつてのワープロやポケットベルの市場は、「縮小」し「消滅」しました。では当時、ワープロやポケットベルを 提供していた会社が倒産したかと言うとそうではなく、それらに変わるものとして、現在、パソコンや携帯電話を売っています。多くの会社は「顧客ニーズとのズレ」を認識することなく、営業を強化する傾向にあります。
しかし、もはやニーズに合致しないものに顧客はお金を出してくれません。経済が低迷しているのであれば尚のこと、営業強化にも自ずと限界があります。ゆえに、次の市場を作り出す以外に企業が生き続ける道はありません。
企業が生き残るために必要なのは、「営業の強化」ではなく「事業の進化」 です。けっして、「営業の強化」を否定しません。しかし、一時的成功より将来にわたる成長を考えるとき、「営業の強化」のみに頼まず、「事業の進化」に取り組むことをお薦めせざるを得ません。「事業の進化」のためには、「変化に適応」するといった受け身的な姿勢ではなく、「変化を活用」する主体者であることが求められます。「変化の活用」ということについてドラッカー教授は、「イノベーション7つの機会」としてあらわされ、「4つの戦略」を自社に合わせて取り組んでいくことを示唆されています。
- 総力かつ迅速であること (先制総力戦略)
- 手薄なと ころを狙うこと (創造模倣戦略、柔道戦略)
- ニッチを狙うこと (関所戦略、専門市場戦略、専門技術戦略)
- 新たな価値を創造すること(効 用創造戦略、価格戦略、利便性戦略、価値戦略)

