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ドラッカーの名言

東証一部上場企業様を中心に経営チームの支援をを行っています。


私が失敗から学んだ中期経営計画のポイント

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成果をあげるには、アクションプランを理解してもらい、
情報ニーズを理解してもらわなくてはならない。
特にアクションプランについては、上司、部下、同僚に示し、
意見を聞いておかなければならない。

ピーター・ドラッカー

 

現場は教科書どおりに動かない

 

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私が経営チームのリーダー役として、
はじめて経営計画をつくった時のことです。
教科書どおりに経営計画をつくっても、
現場は教科書どおり進みませんでした。

 

経営チームを結成して一年目に壁にぶつかり、
大きな失敗をしでかしました。当時の私はそんな現実に直面し、
途方に暮れていました。私は「言うだけ番長」に過ぎなかったのです。
もちろん当時の社長に叱られました。そして社長から、
「来期同じ失敗をしたらリーダー役を降りろ」と言われました。

 

自分が招いた自分の失敗の前にあって私は、
どうしていいかわかりませんでした。
経営チームのミーティングでも、日々の私の口調は
きつくなっていきました。それは自分に余裕がない表れでした。
「マネジメントや合意形成など面倒なことはもうやめだ、
こうなったら、指示して強制的に現場を従わせた方が話は早い」、
そんな衝動に駆られました。建設は死闘、破壊は一瞬です。

 

その時、社長から教わった言葉が岡目八目です。
囲碁は碁を打っている本人よりも、
解説者の方が状況を客観的に掴めるため冷静な判断ができます。
解説者は負けてしまうことへの恐怖心もありませんし、
一本の木にとらわれず森全体を見渡すことができます。
岡目八目とは、そんな客観性の大切さを表す言葉です。

 

当時の社長は私に「客観的に考えろ」と言いたかったのでしょう。
私は社長の言葉を「自分の失敗を考える」より「組織の活性を考えろ」
という助言として受け止めました。私は真面目一徹に
やってきたつもりでした。知らぬ間にどうしてこんな状況に
陥ってしまったのか、当時はわかりませんでした。
ドラッカーはこう言っています。

 

成果をあげるには、アクションプランを理解してもらい、
情報ニーズを理解してもらわなくてはならない。
特にアクションプランについては、上司、部下、同僚に示し、
意見を聞いておかなければならない。
ピーター・ドラッカー

 

 

経営計画を立てただけで経営計画の意図は
誰にも伝わっていなかったのです。私は一方的だったのです。
成果をあげるために、経営計画の中身を理解してもらう仕事を
怠っていたということがあとになってわかりました。
誰がどんな情報を知りたいのかも理解できていませんでした。
部下の考えも、チームの考えも聞くことをしませんでした。

 

自分では気付けない自分の怠慢が露呈した失敗でした。
私は立てた計画を発表すれば現場は
それを実行してくれると思い込んでいました。
浅はかでした。社長からこう言われました。
「心が通い合う話し合いがなければ組織は団結しようがない。
指示で組織全体を動かそうという考えそのものが
部下へのリスペクトがない証拠だ。
命令すれば人が動くという考えは傲慢も甚だしい。」

 

仕事は問題の解決より問題の発見が先に来ます。
うまくいっている時は誰かに尽くそうとしているのに対し、
うまくいっていない時は誰かをコントロールしようとします。
私は社員をコントロールしようとしていました。
それが問題の本質でした。問題の解決は、
私自身が社員の理解に尽くことでした。
事実、社員の理解に尽くそうした瞬間から
事態は好転し始めました。

 

問題がわかりさえすれば、解決は簡単です。
物事を勝手に難しくしているのは、たいてい自分です。
常に難しいのは、問題の解決ではなく、問題の発見です。
誰もが、「私は正しい。他の人が間違っている」
と思いたいものです。しかし間違っているのはたいてい自分です。

 

「立てた計画を知ってもらうこと」と
「立てた計画を実行してもらうこと」はまったく違います。
計画はこちらの意図が現場の隅々にまでしっかり伝わり、
一人ひとりが「そのように進めていけばいいんだな」
というところまで腹落ちしてこそ意味があります。

 

計画とは、「人の意欲を引き出し、実行できる状態まで
持っていってはじめて完結するもの」だということを、
私は自分の失敗からを学びました。
それは失敗しなければわからないことでした。
成功は自己陶酔に陥ると何も学べませんが、
失敗は苦しむがゆえに多くのことを学べます。
(著 『ドラッカー5つの質問』より)

 

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詳しくは、こちらでお読みになれます

ドラッカー5つの質問 山下 淳一郎

成功を収めている企業は、「われわれの事業は何か」を問い、
その問いに対する答えを考え、明確にすることによって
成功がもたらされている。

ピーター・ドラッカー

 

 

経営計画を策定したい社長様へ

 

ドラッカーセミナー山下淳一郎140.jpg

基本と原則に反する者は例外なく破綻する。
ピーター・ドラッカー

今以上に事業を伸ばしていくためには基本と原則は不可欠です。
さらなる発展のために、ドラッカーを学びましょう。

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